失恋の心理学、失恋の傷から立ち直る方法
前半では失恋とはどんな気持ちになり、
どのように傷つくのか?
後半ではどうしたら立ち直れるのか?を調べている心理学の研究を今回は紹介します。
この記事を読んで心理学的に正しい失恋からの立ち直り方を知っておきましょう!
別れた直後はどんな気持ちになるのか…
上越教育大学の宮下敏恵教授と斉藤純子氏による2002年の研究
この研究では失恋時に感じる感情や行動を
①後悔・悲しみ ②未練 ③怒り・回避
の3点に分類。
さらに関係の進展度を
(1)デート、キス
(2)恋人として友人に紹介する
(3)結婚について考える
3つに分けました
そして大学生124人に質問紙調査(アンケート)を行いました。
その結果
関係の進展度が大きいほど「後悔・悲しみ」と「未練」な気持ちは大きい
振られた人の方が「後悔・悲しみ」「未練」「怒り・回避」全て大きい
ということがわかりました。
当たり前ですが、関係が深くなるほどに別れた時が辛くなるし、振った人より振られた人の方がしんどいわけですな。
つづいては海外の研究!
ベルン大学の2017年の研究
この研究では約9000人の男女を対象に全員の私生活を3年にわたって追跡調査しました
その結果
男女の関係崩壊の精神的なダメージについて
•立ち直るまでは平均で1年
•主なダメージは自尊心
ということがわかりました。
また立ち直った後には
・メンタルが強くなった
・考え方が大人になった
・失恋から得た教訓を、対人関係に活かせた
など成長を感じている人もいました。
ただ失恋で成長できるとしても、失恋直後には自分のことを嫌いになったり、自暴自棄になったり、平均して1年という長い立ち直るまでの期間がしんどすぎるのが問題!
ということで
次は失恋からの立ち直りの研究!
失恋からの復活方法
東洋大学の加藤司准教授の2005年の研究
この研究では失恋経験のある大学生425人を対象にして失恋への対処方法を調査したところ失恋への対処方法を以下の3つに分類できました。
①回避行動
「次の恋を見つけようとした」
「スポーツや趣味に打ち込んだ」など
②拒絶行動
「相手の人のことを考えないようにした」
「相手を見返す方法を考えた」など
③未練行動
「関係を戻そうとした」
「二人の思い出の品を眺めた」など
以上の3つのいずれかを行い、
その後のストレス反応
(抑うつ、不安、怒り、混乱、疲労感)と
失恋のショックからの回復期間との関係を分析
その結果
回避的行動をとるほど
ストレスを小さくし回復期間が短くなった
拒絶行動や未練行動は
ストレスを大きくし回復期間も長くなった
ということがわかりました。
つまり早く立ち直りたいなら「次の恋を見つける」「趣味に打ち込む」とか他のことに集中するのが良いみたい!
ちなみにこの研究では
- 恋愛感情が強かった人ほど未練行動も多くなる
ということもわかっています。
これが熱愛ほど失恋の傷が大きく、かつ回復にも時間がかかることの原因だと思われます。
ミズーリ大学の2017年の実験
失恋したばかりの24人を対象に実験。
全員に4パターンの失恋回復方法を指示
①「あいつは最低の人間だ」と前の恋人を悪く言う
②「彼(彼女)に未練があるのはしょうがないこと」と自分を慰める
③何か自分が楽しいことをしたり、思い出さないようにする
④ただ待つ。心の傷が癒えるまでただひたすら何もしない
しばらくしてから全員の気持ちを元恋人の写真を見せてテストしたところ結果は以下のようになりました。
「④ただ待つ」以外は、すべて失恋の痛みをある程度だけ下げました。
①は過去への未練を減らしたが、
不愉快な感情が増しました
②は過去への未練や現在の感情には影響をもたらしませんでした
③は過去への未練を変えなかったが、
現在の感情を幸福にさせました
○今日のまとめ
- 失恋は関係が進むほど辛くなる
- 振られた方は全ての感情が爆発
- 失恋後は自尊心が壊れる
- 立ち直ると強くなる
- 無理に拒絶したり、未練タラタラのままだと幸せになれない!
- 回避的な行動が立ち直りやすい可能性がある。少なくとも幸せになれる
失恋の記事は他にもいろいろ書いてますのでよかったらぜひ!