「脈アリの匂わせ」と「返報性の原理」の正しい使い方
意外と難しい返報性の原理
好きな相手が,自分にとってくる行動から,好意があるのかどうかを見極めること(脈アリかどうか気づくこと)は相手との関係に影響がありそうですよね。
実際、返報性の原理も働くため
好意を気づいてもらうことは、重要なことです
でも
相手の好意に敏感な人もいれば
鈍感で気づかない人もいます。
仮に相手が敏感だとしても「どんな振る舞いをすれば好意があると思われるのか?」を知らないとあなたの好意は気づいてもらいようがないのです。
そこで!!!今回紹介する研究です!
北星学園大学栗林克匡教授の2017年の研究
この研究では大学生170名に調査をおこない、
「どんな好意に気づきやすく、
どんな好意に返報性が働くか」を
明らかにしています!!
しっかり覚えて効果的に返報性の原理を使いましょう!
脈アリ行動の4つの分類
好意がありそうな行動を以下のように分類しています
- アプローチ
「頼ってくる」「近くに座ってくる」「褒めてくる」「笑顔を向ける」「じっと見つめてくる」など
- 性的行動
「求婚してくる」「性交をしようとしてくる」「キスしようとする」など
- 自己開示
「家族の話をしてくる」「相談事をしてくる」など
- つながり希求
「用もないのに会おうとしてくる」「手や腕を組もうとしてくる」「用もないのに電話してくる」「人に見せない面を見せてくる」など
そして、自尊心や社会的スキル、性別など様々なものとの分析を行いました
その結果…
①好意に気づきやすい行動ランキング
1位性的行動
2位つながり希求
3位アプローチ
4位自己開示
ということがわかりました
まあこれは無難な結果ですね
キスしようとしてきたりするのはあからさまだし、
自分の話をしてくれるっていうのは好意があるのはわかるけどそんなに明らかにってわけではないですし納得がいきます。
ただここで重要なことは「性的行動」は現実的ではないので現実的に好意を伝えるなら
「つながり希求」が一番気づいてもらえるということです
②「性的行動」
性的行動では女性は男性よりも好感を抱かないこともわかりました
これもなんとなく常識にあってますよね
「男は女の子の色仕掛けにすぐにひっかかる!」
「女の子はすぐ手を出してくる男が嫌い!」
みたいな感じです。
③「自己開示」「つながり希求」「アプローチ」
この3つは受け手が好意に気づくと相手への好意へ繋がるという返報性がみられました
前回の記事では、好きは匂わせたり、伝えたりしたほうがいいという話を書きましたが
「返報性の原理を使いたいなら自己開示、つながり希求、アプローチをしたほうがいい」ということです
④「つながり希求」と性差
つながり希求だけ!
女性のほうが相手の好意を高く評価していたので
相手の女性との関係を一歩進めるのに、この「つながり希求」に関する行動を取ることはインパクトがあり,女性に自分の好意を強く意識させることができます。
たぶん男は、「つながり希求で好意なんて伝わるの?それでうまくいくの?」と思ってそうですが、この研究が証明してくれています。
女性に対してかなり効果的なつながり希求を使うのです!
⑤自尊心との関連
ちなみに、自尊心の低い人は,異性の行動から自分への好意を感じにくいと思われていたのに,自尊心の高い人と同じくらい相手の好意にきづいていました!
この結果については
松井・山本(1985)は男子大学生を対象に異性交際の対象選択に及ぼす自尊感情の影響を検討したところ,自尊感情の低い者の方が拒絶への恐れが高かった(受容可能性が低いと思う)と報告している。それ故,自信のない男性は自分を受け入れてくれそうかどうかを重視して女性に好意を寄せるのではと考察している。この研究では自分に対する好意がある状態であるから受け入れてくれる可能性が高く、そのため自尊感情の低い人と高い人で差が出なかったのだろう
以上のように考察していました。
僕も自尊心はそんな高くないのでわかる気がします。
たぶん自尊心が低い人は
自分からはいけないけど、
相手から来てくれるなら頑張れるんです。
なんてしょうもない生き物なんでしょうか…
また自尊心が下がった気がします( ˙-˙ )
今日のまとめ
・性的行動は女性はありかもだけど、男性は使っちゃだめ!
・自己開示、つながり希求、アプローチは返報性が働く!
・女性にはつながり希求が効果的!
・自尊心低くてもとりあえず受け手側では問題ない
参考文献
栗林克匡 2017 異性の行動から自分への好意をどの程度感じるかーソーシャルスキルと自尊感情の影響ー北星学園大学社会福祉学部北星論集第54号