学術研究が明らかにした「楽しさ、嬉しさ、幸せにあふれたカップル」の特徴
以前の記事で関係効力性が高いカップルは、支えあえて幸せになれる関係性であることを明らかにした研究を紹介しました。
今回は関係効力性が高いカップルは支え合えるだけじゃなく、実際に「感情」として幸せなのか、つまり「関係効力性が高いとポジティブ感情の頻度が増えて、二者双方のネガティブ感情の頻度が少なくなるのではないか」という仮説を検証しようと試みた研究を紹介します。
関係効力性と感情体験
カップル107組を対象に「関係効力性」の程度と、恋人と過ごしているときに経験する「ポジティブ感情」「ネガティブ感情」の頻度を測定しました。
関係効力性とは…
2人の関係を守るためにお互いがお互いの力を借りることができると思えているかというもの。
例としては「互いに協力して、二人にとって望ましい理想の関係を築くことができる。二人の求めることのズレをうまく解決できる。」みたいな感じ。
カップルの二者間の類似性を分析
分析したところペアで
関係効力性は35%、感情体験は28%の類似性が示されました。
というわけで結構似ていたのでペアの相互的な効果と個人の効果を切り離す分析をしました。
やっぱり支え合えるカップルは幸せだった
個人でも、ペアでも受ける影響はだいたい一緒で
- 関係効力性が強いほど、ポジティブな感情を頻繁に経験する(逆もしかり)
- 関係効力性とネガティブな感情はあまり関係がない
という感じでした。
以前の記事では関係効力性が高いカップルは支え合える理想の関係で心理学的な幸せを実現してるぜ
って書きましたがそれをさらに裏付ける結果がでました。
研究者はネガティブな感情を減らしてくれる効果がなかったことについては
関係効力性自体が「互いに協力して、二人にとって望ましい理想の関係を築くことができる。」「二人の求めることのズレをうまく解決できる。」
みたいなポジティブな期待なので、それが大きかろうと小さかろうとネガティブな感情とはそもそも関係がないのではないかと考察されていました。
まとめ
・関係効力性が高いカップルは、支え合える良いカップルなだけじゃなく
ポジティブな感情を経験する頻度が高い
・ネガティブな感情には特に影響しない
終わりに
以前紹介した研究では幸せな「関係」を明らかにしていました。
そして今回の研究では、実際にポジティブな感情の経験の頻度が高まることが示されました。
また、ポジティブな感情を多く経験するカップルは長続きするという研究もありました。
さらに前回の記事でも、お互いにサポートの期待に応え合えるカップルは幸福度が高く、幸せであるという結果を紹介しました。
というわけで幸せで長続きするカップルというのはシンプルで
「お互いを助け合えるカップル」
ということなのだと思います。
参考文献
浅野良輔(2011).恋愛関係における関係効力性が感情体験に及ぼす影響:二者の間主観的な効力期待の導入