「彼氏が不満を言ってくれない」「彼女に不満を一方的に言われた」カップルは要注意
付き合っているとお互いに大好きなんだけど
不満を感じることは結構多いもんですよね。
その不満を言ったほうがいいのか、
言わないほうがいいのか
言ってみたけど
「彼氏がちゃんと話してくれない」とか
彼女が一方的に
「自分の不満ばっかり」ぶつけてきた とか
もう正解を教えてくれーーってなっちゃう。
今回はそんな疑問に答えた
筑波大学の立脇准教授の2006年の研究を紹介します。
調査概要
親しい異性1人を思い浮かべてもらって
「恋人」「片思い」「友達」からその人との関係を選んでもらいます。
次に異性交際における否定的感情をこのように分類し
- 親和不満感情 寂しい、不安、嫉妬
- 攻撃・拒否感情 苛立ち、怒り、面倒、
そしてそのような感情を生み出す否定的出来事の一覧からどの程度の頻度で起こるか「非常によくある~全くない」の5段階で質問。
そして、上記の否定的感情から感じるものに○をつけてもらう。
続いて対処行動(話し合い、一方的主張、回避、同調)は何をとることが多いか回答してもらいました
最後に関係満足度を測る質問をしました。
結果発表!!
みんな経験する嫌な出来事
「全くない」を除いた否定的出来事が起こると答えた割合の高い出来事(85%以上)は4つありました。
「相手の欠点が目に付く」
「いたくても一緒にいることができない」
「相手が自分に対する気持ちを表現しない」
「相手が自分以外の異性と仲良くする」
この4つを嫌がる人は非常に多いという結果ですから、今恋人がいる方はこういった行動に自覚があったら避けれるものは避けた方がいい!
つまり、「好き」といった気持ちをはっきり表現して、他の異性とは仲良くしないようにした方がいいのです。
相手の欠点に目がいっちゃって嫌な気分になることもあると思いますが、「85%以上のみんなが感じることだし、仕方ないことなんだ」と思ってみるといいんじゃないかな!?(๑・̑◡・̑๑)
親和不満感情
(寂しい、不安、嫉妬)
この感情は40%以上の人が感じていました。
そして、この感情は先ほどあげた85%以上の人が嫌だと感じる
「相手が自分に対する気持ちを表現しない」
「いたくても一緒にいることができない」
「相手が自分以外の異性と仲良くする」
といった出来事、つまり交際相手に近づきたいと云う親和欲求や独占欲が満たされず、
相手と距離があることを意識させられる出来事によって生じていたのです。
性別と異性関係別
親和不満出来事と親和不満感情を比較
親和不満出来事は恋人グループより
片思いグループが多く経験していました。
これはある意味当然ですね。片思いは相手が好きじゃないか、もしくは好きか分からないわけですから寂しいし、不安だし、嫉妬も多いでしょう
一方、親和不満感情は
男性よりも女性のほうが感じており、
友人グループよりも
片思い、恋人グループが多く感じていました。
つまり女性のほうが嫉妬や不安を感じやすいということなのですが
男性のほうが、感じるという研究もあったり、
男女に差はないという研究もあるので一概にはいえなさそうです( 一一)
恋人グループの否定的出来事感情と関係満足感
男女ともに親和不満感情と関係満足感との間には関連はありませんでした。
ただ、女性限定で親和不満出来事が多いほど、関係満足度が低いことがわかりました。
これ見てびっくりしたのは逆に言うと「男性は嫌な出来事が多くても関係の満足度は変わらない」ということですよね。
男性がこんな事大丈夫だろと軽率に考えていることが実は女性にとっては重要だったりするということが実際多いんだろうなって感じがしますね。。。。
男性諸君気をつけよ…
攻撃・拒否出来事、攻撃・拒否感情
攻撃拒否出来事
攻撃・拒否感情は、いらだち、怒り、面倒などの感情でした。
この感情の原因となる出来事は
「異性の友人との付き合いを制限される」
「一人でやりたいことができない」
「相手から過剰に干渉される出来事」
「相手の欠点が目に付く」
など「自分が不利益を被る出来事」だということが分かりました。
性別関係別
攻撃・拒否出来事、感情共に
恋人グループが多く経験していました
恋人グループの否定的出来事、感情と関係満足度
攻撃・拒否感情は
男性では回避行動を、
女性では一方的主張行動を通して、関係満足感を下げていました
しかし女性は攻撃・拒否出来事が多いほど話し合い行動を行い、話し合い行動が多いほど関係満足感が高かったのです!
ふつう、攻撃・否定感情が間接的に関係満足度を下げちゃうんですが、話し合いという適切な対処ができれば、関係満足度を高められるということ。
逆に不適切な回避行動や一方的主張は関係満足度を下げちゃうよってことです。
男は「もういいよ」みたいな話し合いを辞める行動をやめなさい!
女は「一方的に思ったことを話す」のをやめなさい!
お互いがお互いのために話し合いましょう。
そうすれば、少なくとも関係の満足度は下がらないんですから。
まとめ
・恋人グループは強い恋愛感情を感じ、関係には満足していますが、攻撃・拒否出来事を多く経験し、攻撃・拒否感情や親和不満感情を多く感じていました。
・片思いグループは強い恋愛感情を感じているが、親和不満出来事を多く経験していて、親和不満感情を多く感じて、当然関係に満足していませんでした。
・友人グループは親和不満、攻撃・拒否ともに出来事も感情もあまり経験しておらず関係に満足していました。
・女性は不満な出来事が多いと関係の満足度が下がる
・けど女性は話し合いをすると関係満足度が上がる
おわりに
今回の研究で印象に残ったのは恋人はポジティブな感情もネガティブな感情も多いということ。
恋人はいろんな出来事を経験するからポジティブな感情もネガティブな感情もつよいというのもあると思うのですが、個人的には人間の感情のセンサーはアンテナ4本か、1本みたいな極端なのではないかと思います。
都合よく良いものにだけ強く反応して、嫌なものには反応しない。
そんなことは無理!!
人一倍喜ぶ人は人一倍落ち込む。
大人になると何でも冷めた目でみて、何かあってもそこまで喜ばない。
けど、子どもはどんなことにも全力で嫌なことがあったら泣くし、怒る。その分うれしいときには全力で喜ぶ。
大人になることの寂しさや「子どもはいいよね」なんていう発言にはそんな「使い切ってしまったかのように思える強い感情」へのあこがれがあるんじゃないかななんて思ったりします。
話はそれましたが、恋愛を全力で楽しむには全力で傷つくことも仕方ないし、かっこつけたクールな恋愛よりも全力で人を愛することで初めて感じられる幸せを得られるような恋愛ができた方がいいんじゃないかな~と個人的には思ってます。
失恋からの立ち直りの平均は1年です。傷ついても案外立ち直れるんです。僕は怖がらず全力で人を愛する人を応援しています。( ´∀` )
参考文献
立脇洋介(2005) 異性交際中の出来事によって生じる否定的感情 社会心理学研究,21,21-31